挫折は夢の転換期、の指標だった
今週のお題「表彰状」
数年前、私はフラワーアーティストを目指していました。お花が大好きで、お花を触っているときが幸せでした。これをライフワークにできたらどんなに幸せだろうと、事務仕事をがんばりながら、フラワーアーティストとしての修行もやっていたのです。
でも、もともと不器用なせいか、コンテストに何度出しても入賞さえしません。
お花の世界は材料もですが、指導を受けるのにはお金がかかります。数年での出費は、数百万円という金額になっていました。
それもあって、もうそろそろ限界かな。お花は趣味で続ければいいかな、と思っていたのですが、これが最後と、あるフラワーコンテストに精魂込めた作品を出品したのです。
これが最後と心に決めた私は気合が入っています。九州の地から飛行機に乗ってコンテスト会場に出向きました。
出品されている作品を見ると、どれもが力作。だんだんと自信がなくなります(-"-)
そして会場では、事前にコンテスト入賞の発表があったのですね。入賞者には、表彰状と記念品の授与があったので、その準備をするために。
そしたら見事、私の作品は落選。そして、そのとき私といっしょに出品していた私の友人の作品が入賞していたのです。
でも、友人はコンテスト会場には来ていません。そこでなぜか駆り出されたのが私。友人の代わりに表彰式で、表彰状と記念品をいただくようにと恩師に頼まれ、断ることもできずに引き受けるのでした。
なんとも複雑な気持ちで、表彰状と記念品授与をさせていただきました。
自分ではないほかの人の名前を呼ばれて、表彰される場に私が向かう・・情けないやら悲しいやら、複雑な気持ちから笑顔のなかには涙がうっすら・・笑
友人の入賞に、素直に喜べない自分がとっても小さく見えて、自己嫌悪..。
でもこれで、自分にはフラワーアーティストとしてのセンスや運がないんだとはっきり自覚できたし、肩の力が抜けて、ほかに目を向けることができるようになりました。それまでは、お花しか見えず、視野が狭くなっていたことにも気づけたのです。
今でも、お花をお部屋に活けたり、アレンジメントしたり、お花屋さんでいろんなお花を見るのが大好きです。お仕事にしようと思っていたころとは違った視線で、お花を見れています。あのころは、お金を得るための仕事としてや、名声のための材料として、お花を見ていたのかもしれませんね。まあ、必死でしたから、気持ちに余裕がなかったのでしょうけど。
あのとき入賞した友人は、いまは立派なフラワーアーティストして活躍されていますよ。今では、彼女の活躍を誇らしく思えるし、あのとき、私にああいった機会があったことも良かったことだと思えるようになりました。
私は今、お花とは違ったまったく別の道を楽しんでいます。
あのときのことがなかったら私は今もなお、美しいお花に闘いを挑むかのように、毎日を生きていたのかもしれないな~と思うのです。